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税理士試験が受験しやすくなります(受験資格要件が緩和)

2022年06月30日
 

 こんにちは。名古屋市緑区有松の税理士 米津晋次です。

 税理士試験は、通常毎年8月の3日間が試験日となっています。私が受験した当時は冷房もなく大変でした。

 この税理士試験には、受験資格があります。つまり、税理士になりたいと思っても、そう簡単に税理士試験を受けることができません。

 しかし、令和4年税理士法改正により、令和5年4月1日以降に実施する税理士試験から、資格要件が大幅に緩和され、受験しやすくなります。



(引用:日本税理士会連合会より)


会計学に属する試験科目の受験資格緩和


変更前


 これまで税理士試験の受験は、日商簿記1級合格などの受験資格要件を満たしていなければならず、受験が大学3年次以降になるケースが一般的でした。

 これまで、税理士試験を受験するには、下記のいずれかを満たすことが必要でした。
(1)大学、短大、高専等で法律学又は経済学を履修した者(大学生は3年生以上かつ62単位以上取得も要件)
(2)日商簿記1級又は全経簿記上級に合格
(3)会計事務所や経理で2年以上の実務経験等


変更後


 会計学に属する試験科目(簿記論・財務諸表論)の受験資格が不要となります。

 したがって、どなたでも税理士試験の簿記論・財務諸表論の受験が可能となります。高校生や大学1年生でも税理士試験を受験できるようになりますね。


税法に属する試験科目の受験資格緩和


変更前


 税法に属する試験科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)についても、会計学に属する科目と同様、下記のいずれかを満たすことが必要でした。
(1)大学、短大、高専等で法律学又は経済学を履修した者(大学生は3年生以上かつ62単位以上取得も要件)
(2)日商簿記1級又は全経簿記上級に合格
(3)会計事務所や経理で2年以上の実務経験等


変更後


 税法に属する試験科目については残念ながら、会計学に属する科目にように受験資格が撤廃された訳ではありません。

 ただし、必要であった履修の範囲が拡大になりました。

「法律学又は経済学」を履修から、「社会学」を履修になり、範囲が広くなりました。


具体的な科目の範囲


 具体的な科目名で説明しましょう。

 まずは変更前の法律学と経済学の科目です。

・法律学では、法学、法律概論、日本国憲法、民法、刑法、商法、行政法、労働法、国際法など

・経済学では、経済学、経営学、経済原論、経済政策、経済学史、財政学、国際経済論、金融論、貿易論、会計学、簿記学、商品学、農業経済、工業経済など

 社会学となると、これらに加え、文系学部・理系学部を問わず、多くの学生に履修の機会があると考えられる、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学なども該当するでしょう。

履修科目が社会学に該当するかわからない場合


 履修する科目が社会学に該当するかどうかわからない場合は、次のようにしましょう。

(1)授業内容が記載されている学生便覧(科目名、担当教授、時間数、授業内容等が記載されているもの)を取り寄せる
(2)最寄りの国税局又は沖縄国税事務所の人事課税理士試験担当係へ問い合わせる

問い合わせ先


次の中から最寄りの国税局等へ電話してください。

・北海道:札幌国税局人事第二課 011(231)5011
・宮城県:仙台国税局人事第二課 022(263)1111
・埼玉県:関東信越国税局人事第二課 048(600)3111
・東京都:東京国税局人事第二課 03(3542)2111
・石川県:金沢国税局人事第二課 076(231)2131
・愛知県:名古屋国税局人事第二課 052(951)3511
・大阪府:大阪国税局人事第二課 06(6941)5331
・広島県:広島国税局人事第二課 082(221)9211
・香川県:高松国税局人事第二課 087(831)3111
・福岡県:福岡国税局人事第二課 092(411)0031
・熊本県:熊本国税局人事第二課 096(354)6171
・沖縄県:沖縄国税事務所人事課 098(867)3601



(引用:日本税理士会連合会より)

→参考:受験資格について(国税庁)
 
 
 税理士試験受験者数は少子化もあって、年々少なくなってきました。

 この税理士試験受験資格の緩和で受験者数が増えることを期待しています。


【投稿者:税理士 米津晋次
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