HOME > 2019年03月

2019年03月

新天皇陛下の即位に税金はかからない?

2019年03月26日
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

いよいよ平成も残り1ヵ月ほどになりました。
4月1日には新元号が発表されるそうです。

ところで、新天皇陛下即位により、三種の神器などが新天皇に継承されますが、税理士としてはその税金の扱いが気になるところです。

税金はかからないだろうとは予想がつくのですが、税法の規定を確認してみました。

相続税法による相続の規定



最近の新天皇陛下の即位は、天皇崩御によるもので、一般でいえば、相続により財産を引き継いだことになります。

税法では、相続税がかからない財産として、相続税法12条では、6つを規定しています。

・墓地や墓石、仏壇、仏具、神棚など
・公益を目的とした事業に使われるもの
・心身障害者共済制度の給付金の権利
・生命保険金のうち一定額(500万☓法定相続人の数)
・退職手当金のうち一定額(500万☓法定相続人の数)

そして、
皇室経済法の規定で皇嗣が皇位継承とともに受けたもの
があげられています。

したがって、天皇崩御により相続が発生した場合には、「八咫の鏡(やたのかがみ)」、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」といった三種の神器などには相続税はかからないこととなっています。

天皇崩御による相続は想定した規定となっています。

相続税法による贈与の規定



生前退位によって新天皇陛下が財産を承継する場合には、贈与で財産を引き継ぐことになります。

贈与税については贈与税法という法律はなく、贈与も相続税法で規定されています。

その相続税法では、贈与税がかからない財産として、次のものを規定しています。

たとえば、
・法人からの贈与により取得した財産
・扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産(通常必要と認められるもの)
・公益を目的とした事業に使われるもの
・心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
・個人から受ける慶弔金品(社会通念上相当と認められるもの)

そして、本来は贈与税の対象なのですが、政策上非課税とされているものとして、
・住宅取得資金、教育資金、結婚・子育て資金で一定のもの

があります。

天皇陛下の生前退位を想定しなかった!!

しかし、相続税で非課税となっている「皇室経済法の規定で皇嗣が皇位継承とともに受けたもの」が贈与税の非課税規定の中にはありません。

そうなんです。天皇陛下の生前退位を想定していなかったのです。

何も税制の手当をしないと、生前退位により贈与税がかかる規定になっていたのです。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法

そこで政府は、2017年6月9日に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」を成立させ、贈与についても非課税とする規定を新たに盛り込みました。

具体的には、


贈与税の非課税等(附則第7条)
 この法律による皇位の継承があった場合において皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さないものとする

と規定したのです。

この法律の成立により、生前退位による新天皇陛下の三種の神器などの承継については、贈与税がかからなくなったのです。

天皇陛下のそれ以外の財産には相続税がかかった



もともと想定していた相続による承継についても、すべてが非課税という訳ではありません。

昭和天皇が崩御された際には、「皇嗣が皇位継承とともに受けたもの」以外のたとえば預金や有価証券などは相続税の対象になりました。

昭和天皇には20億円の金融資産があって、現陛下は、4億2400万円の相続税を納めたそうです。

※出典:https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-227519/

三種の神器以外で相続税・贈与税がかからないもの



三種の神器以外で相続税・贈与税がかからないものには何があるかも気になるとことです。

皇室経済法第7条では、
「皇位とともに伝わるべき由緒ある物は、皇位とともに、皇嗣(こうし)が、これを受ける。」
とありますから、

「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」には何があるかということです。

宮内庁ホームページによると、皇位ともに伝わるべき由緒ある物の例として、三種の神器のほかに、宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)が記載されています。

また、同じページ内に

「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)は、天皇が皇位を継承された証(あかし)として剣璽・御璽・国璽を承継される儀式

とありますから、剣璽・御璽・国璽も該当しそうですね。

剣璽(けんじ)


 宝剣と神璽のこと。これはひとつではなく、数が多そうです。

御璽(ぎょじ)


 「天皇御璽」と刻された天皇の御印で、詔書・法律・政令・条約の公布文,条約の批准書,大公使信任状・解任状,全権委任状,領事委任状,外国領事認可状,認証官の官記・免官の辞令などに押印されるそうです。

国璽(こくじ)


 「大日本国璽」と刻された国印で、叙勲者に対して、勲章と共に与えられる証書(勲記)に押印されるものです。

 三寸(9センチ)四方の角印だそうです。


(画像引用:雪田きよみ)

ほかにも、歴代天皇の肖像画など約600点が昭和天皇崩御の際の相続税非課税にされたそうです。

※出典:東京新聞2017年4月6日「皇室の非課税何がある?「由緒ある物」など600件」


【投稿者:税理士 米津晋次
※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。
また、当サイトのコンテンツについては、正確性の確保に努めてはおりますが、いかなる保証をするものではなく、弊所は一切の責任を負わないものとします。
したがって、当サイトのご利用については、自己責任で行っていただくようお願いいたします。(税理士 米津晋次)

人気ブログランキングへ

最新記事
<< 2019年 03月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
プロフィール
税理士 米津晋次


税理士 米津晋次


毎月原則土曜日名古屋市内で開催中!