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2018年02月

仮想通貨の税金についてよくある勘違い

2018年02月20日
所得税の確定申告が始まっています。

今回の確定申告で注目されているのは、ビットコインなど仮想通貨による所得の申告です。

税理士でも、仮想通貨に詳しい者は少ないので混乱しています。

私も仮想通貨について理解できていなかったため、少額ですが自分で仮想通貨取引を実際にやってみて、理解しようとしています。

また、一応「認定仮想通貨税理士」という資格も取得しました。

仮想通貨

さて、そんな仮想通貨ですが、その税金関連で、次のような勘違いをされている人が多いようです。

(1) 別の仮想通貨への変更しただけでは税金はかからない

(2) 仮想通貨で買い物をすれば税金はかからない

(3)仮想通貨による利益が20万円以下なら所得税の申告しなくていい




いかがですか?これらはすべて勘違いです。間違っています。

これから、これらひとつひとつについて説明していきましょう。





目次






【別の仮想通貨への変更しただけでは税金はかからない】



たとえば、ビットコインをもっていた人が、価格が高騰したときに円に替えるのではなく、リップルなどのほかの仮想通貨に替えたとしましょう。

確かに、円に替えていないのですから、まだ仮想通貨をキープしたままだ、と思うかもしれません。

しかし、昨年12月に国税庁が明らかにしたように、A仮想通貨を別のB仮想通貨に替えただけでも、それはA通貨を売却(円に両替)して、それからB仮想通貨を購入したと解釈して、A仮想通貨からB仮想通貨へ両替した時点でA通貨の所得が実現するとされました。

一番悲惨なのは、平成29年12月の仮想通貨価格が高騰した際に別の仮想通貨チェンジして、そのまま1月以降に仮想通貨の暴落に遭った方です。

高騰した際の両替で所得が確定し、多額の所得税・住民税がかかるにも関わらず、仮想通貨の暴落により、納税期限前に売って円に替えたとしても、納税資金に足りないことさえも起こっています。

たとえば、仮想通貨の花形であるビットコインは、平成29年12月には200万円を超えました。それが平成30年に入り、一時70万円を切りましたから、最高値から1/3に下落しました。所得税・住民税の最高税率は55%ですから、納税資金に困る人もいる訳です。





【仮想通貨で買い物をすれば税金はかからない】



こちらの勘違いをしている人は、先ほどの例ほど多くはありませんが、やはり円に替えていないのだから所得が確定していないと考えてしまうのでしょう。

仮想通貨で買い物した場合にはついても、国税庁は、その購入した時点での商品価額で仮想通貨を売却したと解釈しています。

つまり、その買い物のときに一度円に替えてから商品を購入したと考えるのです。

仮想通貨のまま商品を購入した場合と、一度円に替えてから商品を購入した場合で税金の扱いが異なっては不公平ですから、当然の解釈ですね。





【仮想通貨による利益が20万円以下なら所得税の申告しなくていい】



仮想通貨による所得が20万円以下なら、所得税の確定申告不要という情報がインターネット上でも流れています。

確かに、ある一定の条件に該当する人であれば、仮想通貨による所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。

この「20万円ルール」の適用条件の最初は、サラリーマン(給与所得者)で年末調整を受けた人のうち、確定申告をする必要のない人で、かつ、確定申告をしない人であることです。

したがって、たとえば次の人は対象からはずれます。

・商売をやっている人(事業所得者)や不動産賃貸をしている人(不動産所得者)

・給与の年間収入金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしてもらえなかった人

・年末調整を受けたサラリーマンでも、住宅ローン控除や医療費控除、寄付金控除、上場株式の譲渡損の繰越しなどを受けるため確定申告をする人

・給与所得だけの人でも、2箇所以上のところから給与をもらっている人で、従たる給与所得の合計が20万円超ある人

・給与以外の所得で、仮想通貨による所得を合わせると20万円を超える人。この「20万円ルール」は何も仮想通貨や雑所得の特別ルールではないからです。

また、年末調整を受けた同族会社の役員などで、その会社から貸付金の利子や賃貸料などを受け取っている人は、その所得が20万円以下でも確定申告が必要です。




最後のもう1点勘違いをもうひとつ。




【仮想通貨による利益が20万円以下なら住民税の申告もしなくていい】



20万円以下ルールは、所得税だけにあるもので、住民税にはそのようなルールは存在しないということです。

つまり、たとえば、所得税の「20万円ルール」に該当した仮想通貨による所得が5万円の人は、所得税の申告は不要ですが、住民税については申告が必要なのです。

確かにインターネットの情報を読んでいると、住民税まで説明しているものは少ないですから、住民税の申告も不要と勘違いしても仕方がない面がありますね。

※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。
その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。
ご了承ください。(税理士 米津晋次)

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