ミニコラム

2010/06/29  《コラム》子ども手当支給と家族手当

2010/06/29 掲載

《コラム》子ども手当支給と家族手当

 

◇子ども手当の支給が始まる

政府は今年度から「中学卒業までの子ども一人当たり年31万2千円(月額2万6千円)の「子ども手当」を支給すると発表しています。

22年度は半額の月額1万3千円支給としていますが、支給は22年6月及び10月と23年2月に各々の月の前月迄、その後は6月に2、3月分が支給される予定です。

子ども手当の月額2万6千円を0歳から15歳まで受給し続けたとすると468万円になります。

子どもが2人なら936万円、累計額をみると額の大きさがわかります。

◇賃金で支払われている家族手当

ここで、企業が支給している「家族手当」について考えてみましょう。

会社員に扶養されている配偶者や18歳未満の子(又は高校生まで)に賃金として家族手当を支給している企業も多く、子ども手当と家族手当も受けられるとなると、子どものいない人から見るとかなり手取り額の差が出ると感じる人もいるかもしれません。

又、この先子ども手当の支給が続くならば財政確保のため扶養控除や配偶者控除の廃止もありそうです。

企業としては家族手当をどう考えるのがよいのでしょうか。

◇各企業に応じた家族手当の考え方

景気低迷で生産高や労働時間も減り、手取りの収入が減少している勤労世帯では、定額の家族手当が給料額の中に占める割合が高まっています。

今後の政治の動きもあり先行きは不透明ですが、子ども手当の支給が続いて行くのなら、家族手当は見直しや廃止もあり得るという考え方も出てくるかもしれません。

もちろん一方では政府の方針に関係なく家族手当は支給していくという企業もあるでしょう。

各企業の事情や経営者の考え方、社員の反応等いろいろな事態を考慮して検討する課題となるかもしれません。

2010/06/08  《コラム》平成22年度の法改正と給与計算

2010/06/08 掲載



《コラム》平成22年度の法改正と給与計算

 

◇保険料率改定が目白押し

平成22年度は社会保険料率が軒並み値上げされ、さらに労働基準法の時間外労働の割増率の引き上げ、扶養控除の改正等が行なわれます。

給与計算を行なう担当者はこの改正内容や実施時期を把握しておく必要があります。

給与や賞与の計算に関係する改正内容を見てみましょう。

①健保-介護保険料率の改定(22年4月)

協会けんぽの料率が改定されました。

健康保険料率は都道府県別で各々異なりますが介護保険料率は全国共通の1000分の1.5(被保険者負担分0.75)となりました。

また組合管掌保険でも保険料を改定した組合も多く、組合の通知を確認してみましょう。

②雇用保険料率の改定(22年4月)

雇用保険料率は特別措置や弾力条項等で保険料率を抑えてきましたが、財政面の悪化から原則に戻し、労使が負担する保険料率は一般事業の場合で事業主1000分の9.5被保険者1000分の6となりました。

また「31日以上雇用見込みのあるもの」も雇用保険の加入対象者となりました。

③時間外労働手当の割増率の引上げ

従来は時間外労働の割増率は2割5分以上とされていましたが改正で1ヶ月60時間を超える部分は5割以上、又45時間を超える場合は2割5分を超える率とするよう努めるとされました。

但し中小企業は60時間を超える部分の5割以上割増は当分の間適用を猶予されています。

④厚生年金保険料率の改定(22年9月)

9月からは1000分の160.58(労使折半1000分の80.29)にされます。

⑤扶養控除等の改正(23年1月)

満16歳未満の親族に対する扶養控除が廃止されます。

年齢が16歳以上19歳未満の親族の扶養控除は特定扶養がなくなり、一般扶養(38万円)のみになります。これは23年1月以降に支給される給与が対象となります。

 

以上のように給与計算の内容や料率が繁雑に改訂され細分化されてくると、担当者としては各人に応じて細かく注意を払った計算が必要になってきますね。

2010/06/08  《コラム》早生まれは昔から損

2010/06/08 掲載

《コラム》早生まれは昔から損

 

◇早生まれは1年待たされる

所得控除において、特定扶養親族や老人控除対象配偶者や老人扶養親族に該当する年齢になると控除額が増える仕組みになっていますが、この判定は12月31日で行います。

したがって、早生まれの人は同級生がこれらの有利な控除を受けられることになっても、1年間待たされます。

その意味で、早生まれは損なのです。

◇早生まれは1年分損する

それだけでなく、早生まれの子を持つ親は特定扶養控除で公平に扱われていません。

平成22年までの制度で言えば、特定扶養控除は高卒なら高校3年間、大卒なら高校大学の7年間の教育費負担の家計への配慮として、扶養控除額を増やしてくれる趣旨で設けられていましたが、1月から3月の間に生まれた早生まれ組は、高卒なら高校2年生と3年生の2年間しか、大卒なら大学4年生になった年までの6年間しか特定扶養控除の適用がありません。

高校や大学を卒業して就職すると所得が生ずることになり、所得制限により扶養親族に該当しないことになるからです。(浪人して大学入学したり、大学院に進学したり、就職浪人したり、の場合には1年分の損は発生しません。)

◇早生まれは損の波及効果

所得税・住民税以外にも、国民健康保険料や国民年金保険料の減免制度、公営住宅の入居収入基準、ホームヘルプサービス事業費用負担基準、母子家庭に支給される児童扶養手当の額を確定するに当たっての所得基準、などで特定扶養親族該当・非該当が関わっています。

◇前政権時代からずっと放置されてきた

これらは明らかに法の下の不平等です。ただ、この課税上の不公平について、過去誰かが憲法違反といって争ったという形跡がありません。

しかし、1月から3月の早生まれ組は全体の4分の1を占めており、量としては大変多く、この制度的欠陥が認知されてしまうと、運が悪いから我慢しろと言うことでは済まなくなり、世論も容易にこれを是認しなくなるように思われます。

2010/06/01  《コラム》税務当局も誤った医療機器の区分

2010/06/01 掲載

《コラム》税務当局も誤った医療機器の区分

取得した医療機器が「器具及び備品」に該当するのか、それとも「機械及び装置」に該当するのか、その判断に迷うこともあります。

税務当局も納税者(医療法人等)から申告書とともに提出された「中小企業者等が機械等を取得した場合等の特別償却」の適用申請書に、その明細書の記載の種類欄に「医療機器」、名称欄に「血管造影X線診断装置」「超音波診断装置」との記載があることで、当該医療機器が「機械及び装置」に該当するものとして、同制度の特別償却(税額控除も含む)を認めていました。

しかし、この適用が誤りであることを会計検査院が発見、同院の指摘を受けた国税庁は、各国税局に適正な運用を促す異例の通知を送ったとのことです。

会計検査院の仕事の1つには、税務行政が適正に運用されているかどうかの検査権限があります。言うなれば、税務署を税務調査するようなものです。

◇医療機器は「器具及び備品」に該当

医療機器は、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」のうち「8医療機器」に当たることから、「機械及び装置」には該当しなと判断されます。

なお、中小企業者等が機械等を取得した場合の同制度の対象資産は、①機械及び装置、②特定の器具及び備品、③一定のソフトウェア、④車両総重量3.5t以上の貨物自動車、⑤内航海運業用の船舶となっています。

また、②の特定の器具及び備品は、一定の電子計算機など「事務処理の能率化に資するもの」となっていますので、医療機器はその対象資産から除外されます。

◇獣医も医療機器の特別償却が可能か

医療機器には前述のような制度の適用はありませんが、医療機関等が取得する一定の医療機器には、別途、「医療用機器等の特別償却」の制度があります。

この制度は、青色申告書を提出する法人(個人も含む)で医療保健業を営むものにその適用が認められています。

そこで、医療保健業に「獣医業」が含まれるかどうか、社団法人日本獣医師会からの事前照会に、国税庁は、①医療保健業が人間を要件としていない、②公益法人の収益事業34種にある「医療保健業」に獣医業が含まれていることを根拠として、同制度の特別償却の適用が可能である旨を回答しています。

2010/05/25  《コラム》生保上場株式への課税

2010/05/25 掲載

《コラム》生保上場株式への課税

 

◇第一生命の株式上場

第一生命が、2010年4月1日に株式会社に組織変更して、東証1部に上場しました。

第一生命の保険契約者821万人のうち、120万~130万人が株を受け取ったとみられており、上場に合わせて取得する人も含めると株主数はNTT(昨年9月末時点で125万人)を上回って国内最多の150万人といわれています。

発行株式総数は1000万株で、売り出し価格は14万円だったものの、初値はそれを上回り16万円を付けました。

上場日における株式時価総額は約1兆6000億円ということになり、国内企業の中では30位~50位にランク付けされます。

◇先行事例がある

ところで、保険契約者が組織変更時に株式をもらった場合、課税はどうなるのでしょうか。

生保会社の株式会社化としては、大同生命(2002年)・太陽生命(2003年)・三井生命(2004年)に次いで4社目なので、先例を確認することになります。大同生命保険が株式会社化されたときの処理が公開されています。

◇割当てを受けた株式に係る課税関係

①保険契約者が受け取る割当株式に係る経済的利益は、株式会社化に伴って偶然に実現する一時の所得なので、個人については一時所得の収入金額、法人については益金の額とされます。

②割当株式の評価額は、適正な時価を反映させる方式で出した売り出し価格により評価することとされています。

③ただし、組織変更と同時に強制売却される端株については、保険契約者が端株に関する権利を行使できないことから、実際に交付される金銭の額により評価します。

◇原価はゼロ

保険契約者には、保険会社への寄与度に応じて株式が交付されるようです。即ち、生命保険会社を儲けさせてきた人には沢山の交付があり、古くからの個人年金保険や一時払養老保険などのように予定利回りが高くて逆ザヤの人には株式の交付なし、ということなのでしょうから、過去の保険会社への提供利益の一定割合が株式の原価になるとも言えます。

しかし、計算可能性の困難さもあり、一種の割り切りで、原価はゼロの扱いです。

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