《コラム》ふるさと納税の落とし穴に注意を!(その2)

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こんにちは。システムエンジニア出身の税理士 米津晋次です。

「ふるさと納税」をやってみようという方に

前回のコラムからその制度の落とし穴にはまらないように

注意点を紹介しております。

前回:《コラム》ふるさと納税の落とし穴に注意を!(その1)

今回は、その続きです。

(4)税金の還付がうけられると思っていたのに・・・

昨年「ふるさと納税」をした人の中には、

「ふるさと納税」をすると税金が戻ってくる

と思ったのに戻ってこなかった、

という人もいます。

gimon

これは、勘違いです。

「ふるさと納税」をすると、税金の還付を受けられるのではなく、

これから支払う住民税が安くなる、と思ってください。

確かに、所得税の還付を受けられる場合もあります。

しかし、ふるさと納税の場合、所得税の還付はわずかです。

多くは、住民税が安くなるのです。

そもそも、確定申告不要を選択した場合には、所得税の申告をしないので

所得税の還付はもちろんありません。

ところで、住民税が安くなって、どれくらいの期間をかけて安くなるかをご存知ですか?

たとえば、

平成27年7月に5万円の寄付金をして

平成27年分の住民税が48,000円安くなる場合で説明しましょう。

平成27年分の所得に対する住民税に切り替わるのが、

平成28年6月からです。

それも、平成28年6月に給与から控除される住民税から優先的に48,000円が引かれるのではありません。

平成28年6月からから平成29年5月までの12ヶ月という時間をかけて、

毎月住民税が「安くなる」のです。

年間48,000円ということは、月々安くなる住民税は、

わずかに4,000円(48,000円÷12ヶ月)なのです。

つまり、平成27年7月に寄付した5万円のうち48,000円の回収が完了するのは、

平成29年5月。

なんと!この場合2年近くもかかるのです。

ですから、あまり寄付しすぎると、

いわゆる家計の「資金繰り」に負担になりますので注意が必要です。

(5)限度額の目安とされた金額以下に抑えたのに限度を超えてしまった!

自己負担を2000円に抑えるには、寄付金の限度額以内に抑えなくてはなりません。

2015年度の税制改正で、この限度額も2倍になりました。

でも、その限度額の計算は、はっきり言って大変です。

そこで多くの方は、インターネットに掲載されている目安や、

給与収入を入力して限度を試算する方が多いようです。

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「夫婦と子供2人の場合」で給与収入○○円の場合の目安

という感じです。

実際には、収入が同じでも、

所得控除によって寄付金の限度額はかなり変わります。

掲載されている目安は、「あくまで目安」として、

その限度額を余裕をもって下回るまでに寄付金を抑えるべきでしょう。

人間には欲がありますから、停めるのはなかなか難しいかもしれません。

(6)一度に返礼品が届いてしまい、腐らせてしまった!

多くの返礼品は、寄付の申込み後、数週間から1ヶ月後ぐらいに届くようです。

時間のとれる休日などに、まとめて寄付を申し込んだところ、

ほぼ同じ時期にすべての返礼品が届き、

食べきれず腐らせてしまった!なんてことも起きます。

reizouko

返礼品の届く時期を考慮に入れて、

1ヶ月単位ぐらいの計画をたてるといいですね。

ただし、人気の自治体では品切れをいうこともあります。

難しいところですね。


(7)返戻金にも税金がかかるの?

じつは、返礼品にも税金がかかる可能税があります。

返礼品は、所得税の区分では「一時所得」に該当します。

ただ、この「一時所得」に該当しても、

年間50万円までの所得ならは非課税です。

でも、50万円を超えると、超えた分の半分が課税対象になります。

50万円の価値がある返戻品を受け取るには、

少なくとも100万円以上の寄付をしなくてはなりません。

かつ、限度額が100万円以上になっているはずです。

つまり、かなりの高額所得者以外は、この心配はない、

ということです。

実際にふるさと納税の返戻品が課税になった

という話しは私はまだ聞いていません。

zeimusyo


とは言っても、寄付先が役所ですし、申告はしてくださいね。

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【投稿者:税理士 米津晋次