年末調整準備のお願い(令和5年・2023年分)


 さて、今年も残すところあと2ヶ月ほどとなり、年末調整の時期が近づいています。市役所からは、給与支払報告書総括表が届き始めているようですし、税務署からは、まもなく年末調整の書類が届くと思います。

 12月の給与・賞与の支給額が決定いたしましたところで、年末調整を行ないます。税務署から用紙が届きましたら、下記の書類を従業員さんに配布し、早めに収集ください。

■よねづ税理士事務所への依頼
 弊所に年末調整処理をご依頼される場合には、まことに勝手ではありますが、令和5年12月1日(金)必着で弊所へ送付等をお願いいたします。
 弊所へ年末調整処理をご依頼されない場合は、その旨をお知らせいただけると管理上助かります。

 なお、12月に支給される給与・賞与データは、確定した時点でお知らせいただければ結構です。


■ 昨年と比べて変わった点

 今年は、年末調整に関する改正点は、扶養親族の範囲についてです。
 様式は大きな変更はありません。

■非居住者である扶養控除対象扶養親族の範囲の見直し(令和5年から)
 非居住者(外国に住んでいる人)で30歳以上70歳未満の方は、原則として扶養親族に該当しないようになりました。(扶養控除の対象外)
 ただし、非居住者で30歳以上70歳未満でも次の人は例外として扶養親族に該当します。
・留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人
・障害者
・扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人

※外国に住む30歳以上70歳未満の家族で上記「留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人」に該当する場合には、「親族関係書類」に加えて、「留学ビ
ザ等書類」の提出が必要になりました。
 詳細は下記URLをご覧ください。
 →昨年と比べて変わった点(国税庁)

 なお、令和3年まで年末調整関係の封筒に同封されていました「年末調整のしかた」、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」及び「源泉徴収税額表」のパンフレットについて、令和4年分の年末調整より送付されず、代わりに年末調整手続の概要を案内したリーフレット「年末調整についてのお知らせ」が送付されることになりました。

<参考>
 →令和5年分年末調整のしかた(国税庁)

■ マイナンバー(個人番号)

 退職者を含めて、今年1円でも給料の支払をされた方のマイナンバーが必要になります。

 今年途中入社の方で、まだ提出してもらっていない場合は、大至急マイナンバーを取得してください。(昨年以前にお知らせいただいた方は不要です)

 必要なものは、パターン別に次のものです。
 (パターン1)マイナンバー通知書コピー+身分証明書コピー
 (パターン2)個人番号カード表裏コピー
 (パターン3)住民票でマイナンバーが記載されたもののコピー

※扶養家族のマイナンバーも必要です。ただし、番号だけを知らせてもらえば、扶養家族については上記の書類の提出は不要です。

 マイナンバーのお知らせは次のいずれか方法でお願いします。
(1)マイナンバーを宅急便・簡易書留など記録が残るもので送付していただく方法。(1番お勧めの方法です)

(2)各ソフトウエアメーカーのマイナンバー管理システムをご利用の場合、そこから印刷したものを簡易書留等で送付いただく方法。
(マネーフォワードクラウドマイナンバーをご利用の場合は送付不要です。)

(3)各ソフトウエアメーカーのマイナンバー管理システムをご利用の場合、マイナンバー一覧表をデータでダウンロードできる場合には、その一覧表をメールで送付いただく方法。
(マネーフォワードクラウドマイナンバーをご利用の場合は送付不要です。メール送信後、すぐにそのメールと一覧表を削除願います)

(4)システムをご利用でない場合にEXCEL等でマイナンバーの一覧表を作成されることはおすすめいたしません。その一覧表も外部へ流出しないように管理が必要だからです。
 しかし、それをご理解いただいたうえで一覧表を作成された場合には、その一覧表を印刷して簡易書留等で送付いただくか、メールで送付をお願いします。(メールで送付された場合は、送付後すぐにメールを削除してください)

■ 今年の個人別給与明細送付

 個人別の給与・賞与明細をお知らせいただいていない場合には、個人別の給与明細のうち10月支払いまでをまずは送付願います。

 そして、11月12月の給与、賞与が確定次第それぞれ送付をお願いします。エクセルファイルや給与ソフトデータなどをメールで送付していただいても結構です。

■ 扶養控除申告書

(令和5年分は退職者を含めて全員分、令和6年分は在職者のみ)
個人番号欄は空欄にする(記入しない)ようお伝え願います。記入された場合は、塗りつぶすなどして消してください。
・昨年末に記入いただいた令和5年分を返却し、内容の確認をお願いし、変更があれば追加記入を依頼してください。
・途中入社の方で未提出の方については令和5年分を新たに記入いただき、前の職場の今年分源泉徴収票(原本)の提出も依頼してください。
・令和6年分については、在職者の方に現在の扶養家族の状況を本人に記入してもらってください。

※アルバイト・パートの方も必要です。
※入社・退職年月日、同居・非同居の区別、扶養とする親族の収入の状況などもれのないようにお願いします。
※記入例
 記載例:令和5年分扶養控除等申告書

※外国人の方で海外に住んでいる家族を扶養にする場合には、次の書類の提出が必要です。
 親族関係書類(戸籍など役所が発行したもの(日本語))と送金関係書類(振込控えなど)、留学生の場合には、留学ビザ等書類

参考:非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ(国税庁)

■ 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

・パート、アルバイトを含め、在職者のみ全員提出が必要です。ただし、乙欄適用者など、年末調整還付金の計算をしない方は不要です。

・必ず本人の所得金額欄、配偶者の所得金額欄の記入をしてもらってください。・本人については、自社以外の収入を記入してもらえば結構です。

※記入例
 記載例:令和5年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書(国税庁)

■ 保険料控除申告書

・生命保険料控除・損害保険料控除・・・控除証明書の原本が必要です。

・社会保険料控除(給与から直接控除された保険料以外のものがある場合)
  国民健康保険料・・・1月から12月に納付した(納付予定も含む)金額を記入願います。
   ※国民健康保険料通知書は、4月から翌年3月の期間ですので注意願います。
  国民年金保険料・・・日本年金機構からの控除証明書(原本)が必要です。
  国民年金基金 ・・・全国国民年金基金からの控除証明書(原本)が必要です。

・小規模企業共済、確定拠出年金・・・控除証明書(原本)が必要です。
※記入例
 記載例:令和5年分保険料控除申告書(国税庁)

※保険料控除証明書を紛失した場合、再発行をお願いしていただくことになりますが、大手保険会社については、マイナポータル連携などで再発行を依頼しなくても入手することができます。
 年末調整手続の電子化について-マイナポータル連携準備編ー(国税庁)

※保険料控除申告書の電子化について、もし希望の従業員さんがみえましたら、ご自身で電子データを受取り、紙に印刷したものを提出するように伝えてください。弊所では電子データの受取りには対応いたしません。

■ 住宅ローン控除を受ける方

(2年め以降。初年度は確定申告になります。)
・金融機関の年末借入額の証明書が必要です。
・連帯債務のある方はそれぞれの持分(登記上の持分)を確認願います。
・税務署から送付された住宅ローン控除の用紙(確定申告した年に適用年分すべての用紙が送付されてきています。)
・税務署からの用紙を紛失した場合には、年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書を税務署に提出してもらってください。
※手続き
 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続(国税庁)

■ 従業員さんへの配布用資料のご案内

 国税庁では、従業員さんへの説明用として配布できる資料を作成しています。
 申告書用紙と一緒に配布されてはいかがでしょうか。

・年末調整では、勤務先に『各種申告書』を提出することで、いろいろな控除が受けられます
 各種控除について(国税庁)

・年末調整の注意事項
 年末調整を受ける際の注意事項(国税庁)

・年末調整を受ける従業員の方向けの情報(動画)
 

■ 従業員さんが申告書作成できる年末調整ソフトのご案内

 国税庁は、従業員さんが申告書作成に使える年末調整用のソフト「年調ソフト」を提供しています。
 年調ソフトを使って作成することで、対話型で申告書用紙の作成をすることができます。控除額の計算、扶養親族等の年齢の判定、控除が受けられるかの判定などを自動で行います。

 このソフトで作成した申告書を印刷して会社へ提出していただくこともできます。
 従業員さんへこの「年調ソフト」をご紹介ください。その場合には、次のチラシをご利用ください。
 年末調整手続の電子化について-年調ソフト編ー(国税庁)

■ 用紙が不足した場合

 税務署から送付される用紙が不足する場合は、次の国税庁HPからダウンロードして印刷してください。
 年末調整用紙・書類ダウンロード先

※うまくダウンロードできない場合にはご連絡ください。メール又はチャットワークで送付させていただきます。

■ その他

・税務署からの封筒(納付書など)と、返却した昨年分の年末調整資料(ピンクファイル)も送付願います。
・従業員の方のお住まいの市町村より「給与支払報告書(総括表)」の送付がされた場合には、その用紙も弊所へ送付願います。
・区役所・市町村役場から「償却資産の申告書」が送付されてきた場合も、その封筒を弊所へ送付願います。

不明点があれば、お気軽に連絡ください。