少し困る仕訳の解説(税金・社会保険料の納付)

nayami会計記録をつけるには、さまざまな取引をすべて仕訳に表さなくてはなりません。どんな仕訳にすればいいのか、科目は何にすればいいのか、経理担当者はよく悩みます。どうやって仕訳をすればいいのでしょうか?

 

■会社が法人税などの確定申告分の税金を納付した

<未払法人税等 ×××円 /          > ・・・法人税

<未払法人税等 ×××円 /          > ・・・法人県民税

<未払法人税等 ×××円 /          > ・・・法人事業税

<未払法人税等 ×××円 /          > ・・・法人市町村民税

<未払消費税等 ×××円 /          > ・・・消費税

<             / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

税金の種類ごとに仕訳を区分して処理します。特に、法人県民税と法人事業税は同じ1枚の納付書ですが、区分して下さい。法人事業税は、納付時に損金になりますので、法人申告書上で調整します。

 

■会社が法人税等の予定申告(中間申告)分の税金を納付した場合

会社は、法人税等について、一定額以上の年間税金になると、その年税額の半額を翌期の8ヶ月目の末日までに納付しなければならないことになっています。

<仮払税金 ×××円 /           > ・・・法人税

<仮払税金 ×××円 /           > ・・・法人県民税

<仮払税金 ×××円 /           > ・・・法人事業税

<仮払税金 ×××円 /           > ・・・法人市町村民税

<仮払税金 ×××円 /           > ・・・消費税

<           / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

税金の種類ごとに仕訳を区分して処理します。特に、法人県民税と法人事業税は同じ1枚の納付書ですが、区分して下さい。「仮払税金」の代わりに、「法人税、住民税及び事業税」や「未払法人税等」「未払消費税等」で処理することもあります。

 

■個人事業者が確定申告分の所得税の納付をした

<事業主貸 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

個人の所得税は、必要経費にはなりませんので、「事業主貸」で処理します。延納申請した場合の5月の納付では、

<事業主貸 ×××円 /           > ・・・所得税本税

<租税公課 ×××円 /           > ・・・利子税

<           / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

事業所得や不動産所得に対応する部分の利子税については、必要経費になります。利子税に、ほかの所得分も含まれている場合には、その部分は「事業主貸」で処理し、 必要経費にならないようにします。

 

■個人事業税を納付した場合

<租税公課 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

個人事業者にかかかる所得税や住民税は必要経費になりませんが、個人事業税は、例外的に必要経費になりますので、「租税公課」で処理します。個人事業税は、一定の所得以上の場合、翌年8月と11月に県税事務所に納付することになります。

 

■源泉所得税を納付した場合

「租税公課?、でも会社の税金ではないし・・・」どうやって仕訳をしたら??

<預り金 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

源泉所得税については、給料から控除した際や、税理士等へ支払った際に「預り金」で処理してありますので、納付時も「預り金」で処理します。この結果、「預り金」のうち源泉所得税の残高はゼロになります。

 

■給与から控除した住民税を納付した場合

<預り金 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

給料から控除した住民税は、会社や個人事業主にかかる税金ではありません。役員や従業員にかかる税金です。給料から住民税を控除することを「特別徴収」といいます。住民税の特別徴収分については、給料から控除した際に「預り金」で処理してありますので、納付時も「預り金」で処理します。この結果、「預り金」のうち住民税の残高はゼロになります。 なお、個人事業者等が自分の住民税を支払うときは、「事業主貸」の科目を使用します。

 

■個人事業主等が自分の住民税を納付した場合

<事業主貸 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

個人事業主本人の住民税については、必要経費になりませんので、「事業主貸」で処理します。なお、従業員や会社の役員にかかる住民税を給料から控除する場合は、「預り金」科目となります。

 

■固定資産税を納付した場合

<租税公課 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

固定資産税は、賦課決定日の損金(又は必要経費)となりますので、納税通知書が届いた日に全額(第1期から第4期分)を未払計上することもできます。なお、個人事業者の、店舗兼用住宅の自宅部分のように、必要経費にならない部分に対応する金額は、「事業主貸」で処理します。

 

■自動車税又は軽自動車税を納付した場合

<租税公課 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

個人事業者の、事業に使用しない車や、事業兼用者の家計使用分は、「事業主貸」で処理し、必要経費にならないようにします。なお、自動車税は、都道府県税ですが、軽自動車税は市町村税です。

 

■社会保険料を納付した場合

「確か半額が個人負担で、もう半額は会社負担のはず・・・・」どうやって仕訳をしたら??

<法定福利費 ×××円 /           > ・・・会社負担分

<預り金    ×××円 /            > ・・・個人負担分

<              / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

社会保険料は、半額を会社が負担し、残り半額を各個人が負担します。個人負担分は、給料の仕訳で「預り金」処理してありますので、この仕訳で「預り金」のうち、健康保険料と厚生年金保険料分の残高がゼロになります。法定福利費の消費税区分は、「非課税仕入れ」です。 社会保険料の納付が休日の関係で翌月1日になった場合は、

(1)当月末日

<法定福利費 ×××円 / 未払費用 ×××円 > ・・・会社負担分

<預り金    ×××円  /            > ・・・個人負担分

として、「未払費用」で処理します。

(2)翌月1日

<未払費用  ×××円 / ○○預金 ×××円>

と処理します。

このように月がずれた場合に、未払処理をしないと、社会保険料は多額のため、月ごとの損益が大きく狂うことなります。

 

■労働保険料を納付した場合

労働保険料は、労災部分と雇用保険部分に分かれます。労災は全額会社又は事業主が負担します。それに対して、雇用保険は、個人と会社又は事業主の両方が負担します。

<法定福利費  ×××円 /          > ・・・労災保険料及び雇用保険料会社負担分

<立替金     ×××円  /         円> ・・・雇用保険料個人負担分

<支払手数料  ×××円 /         円> ・・・労働保険事務組合手数料

<              / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

労働保険料のうち、雇用保険料の個人負担分については、「立替金」で処理します。雇用保険料の個人負担分については、4月以降給料から控除する分(「預り金」処理)から

<預り金  ×××円 / 立替金 ×××円>

の仕訳をして、少しずつ減らしていきます。「立替金」の残高がゼロになったら、この仕訳はしないで、「預り金」のままとします。概算保険料納付時に、前期の保険料の精算もします。会社負担分については、「法定福利費」の中で処理します。個人負担分については、「立替金」または「預り金」に残高が残っていますので、残高がゼロになるように振替します。

<           / 立替金 ×××円> ・・・「立替金」に残高がある場合

<預り金   ×××円 /         > ・・・「預り金」に残高がある場合

労働保険料申告を、労働保険事務組合に委託した場合には、事務手数料も同時に納付しますので、「支払手数料」(消費税区分は「課税仕入れ」)で区分して処理します。正しい仕訳は、このとおりですが、これでは処理が複雑なため、給料支払時の雇用保険料を「預り金」でなく「法定福利費」(マイナス)とし、労働保険料納付時には

kaiketsu<法定福利費 ×××円 / ○○預金 ×××円>

の1つの仕訳で処理することも実務上は認められています。

 

■国民健康保険料を納付した場合

<事業主貸 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

国民健康保険料は必要経費にはなりませんので、「事業主貸」で処理します。 (確定申告時に「社会保険料控除」として所得控除されます。)

 

■国民年金を納付した場合

<事業主貸 ×××円 / ○○預金 ×××円> ・・・納付額

国民年金保険料は必要経費にはなりませんので、「事業主貸」で処理します。 (確定申告時に「社会保険料控除」として所得控除されます。)

 

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