少し困る仕訳の解説(利息・配当の入金)

nayami会計記録をつけるには、さまざまな取引をすべて仕訳に表さなくてはなりません。どんな仕訳にすればいいのか、科目は何にすればいいのか、経理担当者はよく悩みます。どうやって仕訳をすればいいのでしょうか?

 

■普通預金に利息がついた

(1)法人の場合

<普通預金 ×××円 / 受取利息 ×××円> ・・・「受取利息」は税金控除前

<法人税等 ×××円                > ・・・国税(所得税、15%)

<法人税等 ×××円                > ・・・国税(復興特別所得税,0.315%)

<法人税等 ×××円                > ・・・地方税(5%)

「法人税等」は正しくは、「法人税、住民税及び事業税」です。預金利息からは、国税(所得税15%及び復興特別所得税0.315%、地方税5%が控除されてしますので、受取利息は控除前になるようにします。控除された国税は法人税の前払い、地方税は県民税の前払いとなり、確定申告で精算されます。「法人税等」の科目を、「租税公課」や「仮払税金」の科目で処理することもありますが、正しくは「法人税等」です。受取利息の消費税区分は、「非課税売上」です。 (2)個人事業者の場合 <普通預金 ×××円 事業主借 ×××円> ・・・税金控除後 個人事業者の場合は、控除後の金額をこの仕訳で処理します。「受取利息」を使用しないのは、所得税では「利子所得」とされ、事業所得や不動産所得とは別になるからです。

 

■定期預金が満期になり利息がついた

「利息分が増えて入金になっている。利息は税金が引かれているし・・・」どうやって仕訳したら??

(1)法人の場合

<○○預金 ×××円 / 定期積金 ×××円> ・・・「定期積金」の元本部分

<           / 受取利息 ×××円> ・・・税金控除前

<法人税等 ×××円 /          > ・・・国税(所得税15%)

<法人税等 ×××円 /          > ・・・国税(復興特別所得税0.315%)

<法人税等 ×××円 /          > ・・・地方税(5%)

定期積金の元本部分と利息(正確には、給付補填金)に区分して処理します。預金利息部分は、上記「普通預金に利息がついた」と同様です。

(2)個人事業者の場合

<○○預金 ×××円 / 定期積金 ×××円> ・・・ 「定期積金」の元本部分

<            / 事業主借 ×××円> ・・・ 税金控除後

個人事業者の場合も、入金額を定期積金の元本部分と、利息部分に区分して処理します。ただし、利息部分は、税金控除後の金額です。

 

■株式配当金・出資配当金が入金になった

(1)法人の場合

<○○預金 ×××円 / 受取配当金 ×××円> ・・・「受取配当金」は税金控除前

<法人税等 ×××円             > ・・・国税(所得税15%又は20%又は7%)

<法人税等 ×××円             > ・・・国税(復興特別所得税0.42%)

株式配当金や出資配当金についても、税金(国税)が控除されます。所得税の税率は、公開会社の場合は15%(ただし、平成25年12月31日まで7%)、非公開会社は20%です。受取配当金の消費税区分は、「対象外取引」です。「法人税等」の科目を、「租税公課」や「仮払税金」の科目で処理することもあります。預金利息の場合の科目と統一して下さい。

(2)個人事業者の場合

<○○預金 ×××円 / 事業主借 ×××円> ・・・税金控除後

個人の場合は、株式等の配当金は、「配当所得」に該当しますので、「事業主借」を使用します。この場合の金額は税金控除後の金額で、税金については処理しません。

 

■事業分量配当金(利用分量配当金)が入金になった

<○○預金 ×××円 / 雑収入 ×××円>

事業分量配当金(利用分量配当金)は「配当金」とはありますが、税金上はその計算の基礎となった取引の「戻し」として処理をします。消費税の区分も同様です。したがって、仕入先からの仕入代金(課税仕入れ)が計算基礎であれば、配当金の課税区分は、「課税仕入れの返還」となりますし、保険料(非課税仕入れ)が計算基礎であれば、配当金の課税区分は、「非課税仕入れの返還」となります。科目については、「雑収入」を使用せず、その計算の基礎となった取引の科目「仕入高」や「保険料」を使用してもよいと思います。

 

■生命保険の配当金が入金になった

kaiketsu「配当金だから「受取配当金」の科目?」どうやって仕訳したら??

<○○預金 ×××円 / 雑収入 ×××円>

生命保険の配当金は、「配当金」といっても株式配当金とは全く異なるものですので、「受取配当金」は使用しません。「雑収入」の消費税区分は、「対象外取引」です。生命保険の配当金が積立方式になっているため、預金へ入金にならない場合には、

<保険積立金 ×××円 / 雑収入 ×××円>

というように、配当金を計上しなくてはいけません。個人事業で、保険料が必要経費とならない保険からの配当金は

<○○預金 ×××円 /事業主借 ×××円>

として、収入金額にならないようにします。

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