《コラム》投票権は昔は高額納税者の特権だった

明日は、衆議院選挙ですね。

日本における最初の総選挙は、1890年(明治23年)に行われました。その前年に大日本帝国憲法が発布されています。

当時、選挙権は次の条件をすべて満たした人にしかありませんでした。
(1)満25歳以上
(2)男性
(3)直接国税を15円以上納めた者

当時の15円を現在の金額に直すのは困難ですが、有権者が人口のわずか1%だったことからすると、1千万円程度になりそうです。

納税額が1千万程度ということは、課税所得に直すと3200万円。給与収入に直すと3600万円程度でしょうか。

サラリーマンでは到底無理な金額です。

このように、多くの税金を納めた人だけの特権だった選挙ですが、納税条件の撤廃を求める国民運動の結果、1900円に納税額の条件が10円に、1919年には3円に引き下げられ、1925年にやっと納税条件が撤廃されます。

ただし、(1)の25歳以上、(2)男性の条件は、まだ撤廃されずに残りました。

20歳以上の男女の参政権が認められたのは、戦後の1945年12月17日。改正衆議院議員選挙法公布によります。
一票の格差も問題になっていますが、納税額によって選挙権を配分すればいい、と考える方もみえるようです。

その考え方も理解できないことではありませんが、仮にそうなった場合には、高額納税者に有利な法律に改正してしまう不安があります。

20歳以上の男女すべてに平等に一人一票づつを与えるという現行選挙制度でも、選挙=人気投票となっている面があり問題がないとはいえません。

また、本来選挙というものは選挙権を持っている人すべてが参加すべきものです。
100%とまではいかなくとも9割以上の選挙権者が投票に行くというのが本来の姿であるべきです。

しかしながら、最近の地方選挙などではところによっては投票率20%台などといったところもあります。

こうなるともう普通選挙制度は事実上崩壊しているといえなくもありません。