2007年10月03日 法人税・社会保険料を国際比較、税率下げ議論へ
2007年10月3日 法人税・社会保険料を国際比較、税率下げ議論へ-税理士 名古屋/名古屋市の税理士事務所
【2007/10/03, 日本経済新聞 朝刊より】
政府税調 税率下げ議論へ
政府税制調査会(首相の諮問機関)は二日、来年度税制改正に向けて法人税の議論をした。財務省が主要国の法人税(国税と地方税)と社会保険料を合わせた企業負担の比較調査を提示。基幹産業の自動車や電機では、米英に比べ企業負担が重い実態が明らかになった。
ドイツなど多くの国・地域が法人実効税率下げに動いており、日本でも企業負担の軽減が課題となる。
財務省調査は、自動車、電機、情報サービス、銀行業の四分野について、日米英独仏五カ国の企業負担率を比較した。
これまで政府税調では国と地方の法人課税の実効税率を比較して議論してきたが、今回の調査では年金や医療など社会保険料(雇用主負担分)を加え、政策減税分を差し引いて企業の実質負担が分かるようにした。
調査によると、国際競争の激しい自動車製造業の法人税・社会保障を合わせた企業負担率は、日本は三〇・四%と米国の二六・九%、英国の二〇・七%に比べ高かった。電機も同様に日本が三三・三%、米国は二八・三%、英国は二三・四%と、日本が両国に比べ五―一〇ポイント高い。
米国の法人実効税率は日本と同水準の約四〇%と高い。ただ、雇用促進などを目的とした政策減税の規模が約十一兆円(二〇〇六年、経済産業省調査)と日本(一・一兆円=〇七年度)と比べ大きく、実質的な企業負担は軽くなっている。英国は実効税率が三〇%と低い上に政策減税もあるため、日本より約一〇ポイント負担割合が低くなった。
一方で実効税率が日本並みに高いドイツは自動車が三六・九%、電機は三八・一%、雇用主の社会保険料負担が重いフランスは自動車が四一・六%、電機が四九・二%と日本より高かった。
そのため財務省主税局は「企業負担は日本が突出して重いわけではない」と説明する。ただ、ドイツは〇八年に実効税率を三八・七%から二九・八%に下げる予定で、フランスも企業の社会保険料負担の軽減を検討している。
労働集約型の情報サービス業では社会保険料の割合が高まり、企業負担率はフランスが七〇・一%と最も高かった。日本は四四・二%で、うち一九・二%分が社会保険料負担だった。政策減税などの差が少ない銀行業は、負担率がほとんど変わらなかった。
同日の会合では委員から「対日直接投資を促進するため、日本も法人実効税率を下げる必要がある」とする意見が多く出た。
ただ、税率下げによる税収減を補う財源が必要になるため「消費増税分の一部を充てることも選択肢」といった指摘や「短期的には政策減税を充実させるべきだ」との意見も出た。
会合後に記者会見した香西泰会長は「いろいろな選択肢があり(答申策定に向けて)もう一度議論する」と述べるにとどめた。
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