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平成18年度中小企業関係税制改正の概要

平成18年度中小企業関係税制改正の概要
                         平成1 7 年1 2 月経済産業省・中小企業庁

1.同族会社の留保金課税制度の抜本的見直し(法人税)

 同族会社の留保金課税について、対象となる法人を同族関係者1グループで株式等50%超保有の会社のみに限定し、残る同族性の高い対象法人についても、内部留保に対する控除額を大幅に引き上げることにより、平均並の配当を行えば課税されなくなる抜本改正を行い、中小企業に不可欠な内部留保の充実を図る。

[現行制度]
対象法人: 同族関係者3グループで株式等50%超保有
[改正後]
対象法人: 同族関係者1グループで株式等50%超保有
<改正の効果> 課税対象の限定、留保控除の大幅引上げにより、中小企業にとって不可欠な内部留保の充実が図られる。


2.役員給与の損金算入のあり方の見直し(法人税)

来年5月施行の新会社法において、役員報酬・賞与が職務執行の対価として一本化され、一方で最低資本金要件の撤廃等により個人事業者が法人形態を選択することが容易化。このため、従来損金算入が認められていなかった臨時給与(ボーナス)について、あらかじめの定めがあれば損金算入を認めることとする一方、実質一人会社(低所得の会社等を除く)について、節税目的の法人成りを抑制する観点から損金算入方法を適正化する。

改正の概要
<改正の効果>
(1)いわゆる定期定額要件の緩和
[現行]
一月以内の期間を単位として、定期的に同一の額を支給する役員給与を損金算入
[改正後]
あらかじめの定めに基づいて確定時期に確定額を支給する役員給与を損金算入(年2回のボーナス等)

(2)実質一人会社の社長報酬の損金算入に係る適正化
[現行]
個人事業者が法人形態をとれば、オーナー社長報酬につき、法人段階で損金算入、個人段階で給与所得控除が利用可能(「経費の二重控除」)。
新会社法で最低資本金要件等が撤廃、節税目的の法人成りが容易化。
[改正後]
実質一人会社※のオーナー社長報酬につき、給与所得控除相当分を、法人段階で損金不算入とする。
※同族関係者で株式の90%以上保有し、常務に従事する役員の過半を占める会社
※適用除外:①所得(課税所得とオーナー社長報酬の合計額)が800万円以下の場合、②所得3000万円以下で、社長報酬の占める比率が1/2以下の場合
<改正の効果>
中小企業のニーズに応じた役員給与の支給、節税のための法人成りの抑制が可能となる。


3.中小企業投資促進税制の拡充・延長(法人税、所得税、住民税)

中小企業は我が国の構造改革を担う雇用・産業の原動力。依然として厳しい経済環境の中、モノ作り基盤技術を担う企業など意欲ある中小企業の設備投資の活性化を図ることが引き続き不可欠。
このため、中小企業の思い切った設備投資を可能とし、生産性の一層の向上を実現するため、ソフトウェアを対象に追加するなどの拡充を行った上で中小企業投資促進税制を延長する。

改正の概要
以下の拡充を行った上で、2年間延長(税額控除7%、特別償却30%)。
①ソフトウェアを対象に追加
②器具・備品の対象品目の拡充
中小企業の生産性向上に資する情報化投資を支援するため、器具・備品の対象品目を見直し、従来からの対象品目である電子計算機に加え、デジタル複合機を追加。
<改正の効果>
ソフト・ハード両面からの情報化投資をはじめとして、中小企業の前向きな投資を後押しする本税制により、中小企業の設備投資が活性化され、生産性の向上が図られる。


4.中小企業者等の少額減価償却資産特例の延長(法人税、所得税)

 わが国経済の活性化には、地域経済や雇用の担い手である中小企業の活発な経済活動が不可欠。中小企業の事務負担を軽減するとともに、小規模企業を中心に設備投資を促進する効果を有する30万円未満の少額減価償却資産の損金算入特例の延長を行う。

改正の概要
 平成15年度改正で創設された少額減価償却資産の損金算入特例(資本金1億円以下の中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、全額損金算入(即時償却)を認める制度)について、特例の適用対象となる損金算入額の上限を年間300万円とした上で、2年間延長する。
<改正の効果>
 本措置が延長されることにより、中小企業の事務負担の軽減に資するとともに、小規模企業を中心に設備投資が促進される。


5.産業競争力のための情報基盤強化税制の創設(法人税、所得税、住民税、事業税)

 部門や企業を越えた情報資産の共有・活用及び情報セキュリティ対策は未だ不十分。このままでは、競争力の低下及び社会全体の情報セキュリティリスクが顕在化するおそれ。したがって、情報セキュリティを確保しつつ競争力を強化するための新税制を創設する。中小企業については、その実態に応じた投資をサポートすべく、年間投資額要件を低く設定するとともに、リースの適用を認めることとする。

制度の概要
○情報セキュリティ強化と国際競争力強化の観点から、高度な情報セキュリティが確保された情報システム投資を促進し、情報基盤を強化するための税制上の措置を講ずる。
(税額控除(10%)又は特別償却(50%)の選択適用)
【対象投資の内容】
① OS※及びこれと同時に設置されるサーバー
② データベース管理ソフトウェア※及びこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア
③ ファイアーウォール※ (①または②と同時に取得されるものに限る)
※ISO/IEC 15408に基づいて評価・認証されたもの。

<改正の効果>
 高度な情報セキュリティが確保された情報システムの導入により、企業の部門間、企業間の情報共有・活用を促進し、抜本的に国際競争力を強化する。


6.創業5年以内の中小企業者に対する欠損金の繰戻し還付措置の延長(法人税)
 我が国経済を活性化するため、新産業・新事業の創出に寄与する中小・ベンチャー企業の一層の発展が重要。このため、事業基盤が脆弱な創業間もない中小・ベンチャー企業の資金繰り難を緩和するため、欠損金の繰戻し還付措置を延長する。

改正の概要
 欠損金の繰戻し還付措置は平成4年度から適用停止中であるが、創業5年以内の中小企業に適用される1年間の繰戻し還付措置を2年間延長する。

<改正の効果>
 本措置の延長により、事業基盤が脆弱な創業間もない中小・ベンチャー企業の資金繰り難の緩和が図られる。


7.中小企業の事業承継の円滑化に資する税制の整備(物納手続の改善) (相続税)

 中小企業は付加価値を生み出す経済活力の原動力。それが、相続税の過重な負担のために次世代に継承されないことは、我が国経済にとって大きな損失。そのため、キャッシュに乏しい中小企業の事業承継の円滑化のため、自社株式の物納に係る許可基準を緩和するなど手続を改善する。

改正の概要
○物納許可基準の緩和・明確化
・これまで不明確だった物納不適格財産を法令で限定・明確化。取引相場のない株式については譲渡制限株式のみが物納不適格とされ、それ以外の株式の物納は、業績等を問わずに認める。
○物納手続の迅速化・明確化
・物納許可に係る審査期間(原則3ヶ月以内)の法定
・物納手続に必要な書類の明確化及び提出期限の法定等
○その他納税者の利便の向上等
・延納中に延納困難となった場合に物納を認める制度の創設等

<改正の効果>
 許可基準の緩和等の手続の大幅改善により自社株式の物納が増加し、キャッシュに乏しい中小企業の事業承継の円滑化に資する。


8.交際費の損金算入の特例の延長及び課税の範囲の明確化(法人税)

 交際費は原則として損金不算入とされているが、販売促進の手段が限られている中小企業にとって、その事業活動に不可欠な交際費が損金として認められることは非常に重要。また、交際費の範囲については、会議費等の隣接費用との区分が明確でないなど様々な議論が存在。中小企業の事業活動を円滑化するため、交際費について、中小企業に限って認められている損金算入の特例措置を延長するとともに、課税の範囲の明確化を行う。

改正の概要
(1)損金算入の特例の延長
 資本金1億円以下の企業に限って認められている交際費の損金算入特例を2年間延長する。
(2)交際費の課税上の範囲の明確化
 交際費の範囲については、政令や通達等で定められているが、会議費等の隣接費用との区分が不明確であることから、隣接費用としての計上を税務署に否認される事例も多く、従来よりその解釈や運用をめぐり様々な議論が存在。中小企業の事業の円滑化のため、課税の範囲の明確化を行う。

→実務上、一人当たり3千円が交際費と会議費等の区分の目安とされていたところ、交際費とは別に一人当たり5千円以下の飲食費(役職員の間の飲食費を除く)について損金算入を認めることを明確化する。
<改正の効果>
 交際費の損金算入特例の延長と課税範囲の明確化が実現することにより、販売促進の手段が限られている中小企業の事業活動の円滑化が図られる。


9.中小企業技術基盤強化税制(税額控除割合上乗せ措置)の見直し・強化(法人税、所得税、住民税)
 我が国経済の活性化に向け、中小企業がその機動性・独創性を活かして取り組む研究開発への積極的な取組を支援するため、中小企業技術基盤強化税制の恒久的措置に加え、研究開発投資の増加額について、控除率の優遇を講じる。

改正の概要
○中小企業技術基盤強化税制
 試験研究費総額の12%を税額から控除する(恒久的措置)。
○試験研究費の増加額に係る税額控除制度(2年間の措置)
→上記恒久的措置に、増加型の税額控除制度を統合し、増加額に対して追加的に5%を税額控除。
なお、比較試験研究費は、直近の3事業年度の試験研究費の平均(※1)。
また、直近2事業年度よりも当年の試験研究費が多いことが条件(※2)。
→この結果、増加分に対して合計17%の税額控除となる。

<改正の効果>
 研究開発投資の増加に対する税額控除の拡充を通じ、我が国の中小企業の研究開発投資の一層の増大を図り、激化する国際競争に勝ち抜く産業競争力を実現。


10.その他の中小企業関係税制
(1) 適格退職年金制度から特定退職金共済制度への年金資産の非課税移換措置
【概要】特定退職金共済制度について、年金受給者に対する受給権保護を担保する仕組みを法律上位置づけた上で、平成24年3月末で廃止予定となっている適格退職年金制度から特定退職金共済制度へ年金資産を非課税で移換するための所要の措置を講ずるべく検討を進める。
【効果】中小企業の従業員の生活の安定と福祉の向上を図る。

(2) 中心市街地活性化法改正に伴う所要の税制措置(相続税)
【概要】法律に基づく中心市街地活性化に係る事業計画に協力する形でテナント配置等に努力する地権者等の取組が、土地の財産評価に反映されるよう、法律改正の概要・制度等を周知する措置を講じる。
【効果】中心市街地における商店街の空き店舗対策は重要であり、にぎわいの回復を目指したテナント配置等の取組が財産評価に反映されることで、地権者の参加が促され、中心市街地の活性化が図られる。

(3) 特定の事業用資産の買換の場合の課税の特例措置の延長(法人税・所得税)
【概要】多額の費用を要する集団化事業の促進を目的として、集団化事業を実施した中小企業者の自己資本を充実させるために、一定要件の下、事業用用地等の資産の買換えを行った場合に発生する売却資産(旧資産)の譲渡益に対する
課税を取得資産(新資産)の処分時まで繰延べることを認める措置を延長する。
【効果】大規模な事業場等の移転を伴う集団化事業は、多額の費用を要する。そのため、本特例措置により、事業に参加する中小企業者の自己資本が充実し、集団化事業の促進が図られる。

(4) 中小企業等協同組合法改正に伴う所要の措置(法人税、所得税等)
【概要】中小企業組合における組合運営の規律強化、共済事業の健全性・透明性の確保及び中小企業組合の活動の円滑化を内容とする中小企業等協同組合法改正に伴い、事業協同組合の行う共済事業の見直し等に併せて、既存の税制措置の取扱いについて整備を行う。

よねづ税理士事務所(正式名:米津晋次税理士事務所)

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