与党税制改正大綱に対する社説-産経新聞(12月16日朝刊)-名古屋 税理士/名古屋市のよねづ税理士事務所

与党税制改正大綱に対する社説-産経新聞(12月16日朝刊)

与党税制大綱 正念場に向け規律確立を

 自民、公明の与党税調が来年度税制改正大綱をまとめた。再来年の定率減税全廃を決める一方で、児童手当拡充の財源としてたばこ税を引き上げるちぐはぐさも見せた。来年が正念場となる歳出・歳入一体改革に向け、改めて税財政規律の確立を求めたい。

 今回の最大の焦点は再来年の定率減税の全廃だったが、意外なほど円滑に決まった。景気対策として導入された減税は景気が回復した以上、廃止するのが筋であり、すでに政府税調も全廃を求めていた。

 これを増税とみる一部世論の批判に流されなかったのは、自民党税調の議論が真っ当になってきた証しとみたい。企業向けのIT(情報技術)投資と上乗せ分の研究開発投資減税を、一部新減税に衣替えしはしたが、原則廃止したのも同じ流れである。

 これは小泉構造改革への圧倒的支持の効果が、「政治の道具」として批判されてきた税の分野にも広がってきた結果とみることもできる。とくに政治介入が強かった酒税が、「第三のビール」問題をきっかけに四つの課税区分に簡素化されるのは前進だろう。

 その一方で、中小企業向け投資減税の二年延長など既得権益を引きずっているような措置もある。とりわけ、一本一円のたばこ税の増税理由には納得しがたい。

 与党税調の説明は、児童手当支給対象を小学校三年生から六年生へ拡充するための財源だという。公明党の強い要求を自民党が受け入れたためだが、たばこと児童手当の「負担と給付」の関係は極めて希薄である。

 しかも、児童手当拡充の政策的意味もあいまいだ。少子化対策が理由らしいが、一人五千-一万円程度の手当で効果が期待できるとは思えない。総合的対策の一環としてならまだしも、単なるばらまきに終わろう。

 政府は二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支黒字化を目指し、来年半ばに歳出・歳入一体改革の工程表をまとめる。不可避となった増税規模を圧縮するには、限られた財源をいかに有効に使うかという規律が求められる。

 たばこ税を増税するなら財政再建に寄与させるべきである。ばらまきを容認しているようでは、消費税引き上げへ国民の理解も得られない。

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