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政府税調答申に対する社説-日本経済新聞-名古屋 税理士/名古屋市のよねづ税理士事務所

政府税調答申に対する社説-日本経済新聞(11月26日朝刊)


増税ほどほどにして歳出削減に全力を

 来年度の税制改革をめぐる論議が本格的に始まった。まず政府税制調査会(首相の諮問機関)は答申をまとめ所得税・個人住民税の定率減税の全廃などを提言した。深刻な財政事情を考えれば増税もやむを得ないが、今はほどほどにして無駄な歳出の削減に全力を注ぐべきである。

 定率減税は今年度改正で半分にすることを決めている。答申はこれを全廃するよう求めた。これにより新たに1兆6500億円の実質増税となるが、景気対策として導入した6年前に比べ経済が回復しているので、再び不況に陥らない限り廃止もやむを得ない。全廃の時期が迫ったときに景気が悪ければ、それを中止すべきことはもちろんである。

 もう一つの税負担増は法人税などの特別措置の廃止に伴うものだ。03年度に景気対策として実施したIT(情報技術)投資促進税制、登録免許税軽減など総額年1兆円超の減税について今年度末の期限切れに伴い廃止するよう提言。同時に、競争力向上などのため真に有効な措置に重点化すべきだと指摘し、措置を続けるときは選別するよう28日からの自民党税制調査会に委ねた。

 これらの措置が昨今の投資回復に効果をもたらしたのは疑いない。また全体の増税規模があまり大きくなるのも困る。効果のある措置は残すのが現実的だ。今後は特別措置をなくし増収分を法人税率の引き下げに充てることも考えるべきだろう。

 税率の低い「第三のビール」がビール課税の尻抜けになっていると財務省が主張している問題では、酒類間の税格差を縮小するよう党税調にボールを投げた。節税のための企業の新製品開発を阻むようでは困る。そもそもビールの税金が高すぎるのが問題だ。健康への影響を基本に酒税体系を見直すのが筋であろう。

 与党の一部でたばこ税の増税案も浮上しているが、政府税調答申は触れていない。税率の違いから、たばこの価格は欧米に比べ著しく安い。国民の健康と財政収支改善のため、たばこ増税を考えるときである。

 政府税調は消費税率の引き上げや所得税の各種控除の縮小・廃止などを含めた抜本的な税制改革を07年度に実施できるよう来年初めから検討に入る方針だ。消費税増税については07年通常国会に法案を提出するという谷垣禎一財務相と、時期尚早とする中川秀直自民党政調会長らが対立している。消費増税などをいつ実施するかは来年度予算で歳出削減をどこまで進めるかにもよる。歳出削減が生ぬるければ増税に国民の理解を得にくく、実施は遅れよう。

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