政府税調答申に対する社説-中日新聞-名古屋 税理士/名古屋市のよねづ税理士事務所

政府税調答申に対する社説-中日新聞(11月26日朝刊)

政府税調答申 『活性化』にも目配りを

 一般国民には負担増になるが、定率減税の廃止はやむを得ない。企業の情報技術(IT)減税の打ち切りは当然だ。しかし、経済活性化の視点から、何らかの工夫は必要だろう。

 小泉純一郎首相の諮問機関である政府税制調査会は二十五日、二〇〇六年度税制改正の答申を出した。

 ここ数年の傾向である「増税路線」は今回も続く。

 国民生活に影響の大きなものは、既に半減が決まっている所得税・住民税の定率減税の廃止である。企業関係では、〇五年度限りとされているIT投資減税と研究開発減税の上乗せの期限を延長しない。

 新たな増税措置ではなく、既存の減税の廃止ではあるが、個人や企業に増税になることに変わりはない。しかし、これらの措置を受け入れるのはやむを得ないだろう。

 一九九九年の不況時に設けられた定率減税は、所得・住民税の一定割合を控除するという、変則的な手法の減税だ。当時の経済状況がそれだけ深刻だったからである。

 確かに、最大で二十九万円になる減税が、本年度は半分の十四万五千円になり、来年度から完全になくなるのは、国民生活には響く。

 しかし、現在は幸い、景気は「踊り場」を脱して、着実に回復しつつある。「景気回復までの間」という条件が付いている以上、これ以上続ける理由は見当たらない。約束事である以上は守るべきだ。

 ただ、実際に廃止されるのは〇七年一月からである。もし、そのころ、景気が再び変調をきたせば、柔軟に対処する必要はある。

 IT減税についても、同じようなことがいえる。こちらの方は期限もはっきりと決まっているので、単純に延長する理由は全くない。

 しかし、今後は、国際競争力強化のための投資促進減税の新設は検討してもよいだろう。その際、現在のIT減税の欠点を直す必要がある。

 現行制度では、パソコンやデジタル複写機だけでなく、ファクスを購入しても減税の対象になる。ファクスが電気通信回線とつながっているからといって、これがITだと思う人は少ないだろう。もっと産業界の体質強化につながる制度を工夫すべきだ。

 このほかでは、道路特定財源を含めた特定財源全体の一般財源化や酒税の再編も提言されている。

 今後は、自民党税調が本格審議を始め、十二月中旬に与党税制改正大綱を出す。政府税調答申に盛り込まれた提言も考慮に入れ、来年度税制策定に知恵を絞ってほしい。


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