《コラム》就業規則・賃金規定の見直しで保険料削減

2010/08/31 掲載

《コラム》就業規則・賃金規定の見直しで保険料削減 

景気に明るさが見えてきたとは言え、中小企業の景気回復はもう少し先になりそうです。

このような中、今一度会社の経費削減の一つ社会保険料の削減について考えてみましよう。

これまでも削減策はありましたが、一歩進めて、就業規則や賃金制度の見直しで削減の方法を探ってみます。

◆会社のルールを見直す

会社では入社から退職までの勤務中の決まり事を就業規則で規定しますが、それを少し工夫して節減する事が可能となります。

①退職日の決め方

社員が月末退職するとその月の保険料がかかります。例えば定年退職日を「定年を迎えた月の月末とすると定めている場合は、その会社が月末以外の賃金締切日であるなら、賃金締切日を退職日とすればその月の保険料はかからない事となります。

②通勤費の支給方法

社会保険料の標準報酬月額を決める時は、通勤交通費が含まれます。

毎月1カ月分を支給している場合は、6カ月定期に切り替えると通勤費も下がり、社会保険料の等級を下げられるケースもあります。

③年収の高い人は年俸制も検討

幹部社員等でおおよそ年収800万円以上の人は厚生年金保険料の上限月額62万円×12カ月以上の額となりますので、賞与を支払っているなら年俸制の方が保険料は安くなります。

但し、賞与は業績により上下するものですが、年俸制では固定的賃金となるので、注意が必要です。

④昇給月を7月にする

毎年算定基礎届により、4月から6月までの賃金額を平均し、その年の9月からの保険料額を決定しますので標準報酬の等級差が1等級にしかならない小幅の昇給の場合は昇給月を7月にすると、翌年の9月の定時決定まで改定が先送りとなります。

但し、7月から9月の間に残業等が多い時に2等級以上の差となる時は10月月変となります。この方法は降給の時は逆に高いまま継続されるので、注意が必要です。

⑤給与改定は標準報酬月額表を考慮する

通勤費を支給していない場合は、賃金表を改定する際、標準報酬の月額表を意識して給与額が表の等級のどこに位置するかを考えて給与額を決定するのも一つの方法です。