《コラム》社長の故郷へ寄付金 「賞与」になることも


生まれ育った故郷への思い入れは、誰しもが持っているものです。

経営者の中には、自分が大成した後、寄付金という形で故郷に「恩返し」しようと考える人は少なくないと思います。

しかし、このような「故郷への寄付金」を、自分の財布ではなく、自分が経営する会社の金庫から支出しようという場合には、税務上の取り扱いに少し注意が必要です。
会社が国や自治体に対して支出する寄付金については、税務上、原則として損金算入が認められています。

しかし、「寄付金」という名目で支出した金銭であっても、その具体的な内容によっては損金算入処理(経費処理)が否認されるケースもあるのです。

たとえば、社長の出身地など、社長と個人的なつながりのある自治体に寄付をしたケース。

この場合、客観的に見てその寄付金が「本来であれば社長個人が負担すべきもの」と認められる場合には、会社が負担した寄付金相当額は社長に対する給与扱いと認定されることになってしまいます。

その結果、「役員賞与」扱いとなり、税務上の損金不算入扱いとなるので注意が必要です。
会社が国や自治体などに対して寄付をする場合、それを税務上の「寄付金」として損金処理したいということであれば、会社の「営業上の理由」や「経営方針」など、社長個人ではなく会社として関わりがあることが望ましいと考えられます。

そして、そのことをいつでも税務署の調査官に説明できるよう、客観的な説得材料を用意しておけばなお安心です。

母校についての寄付についても、会社から行うのであれば、同様な説得材料を用意する必要があります。