《コラム》グリーン車の料金は経費にできるのか?


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こんにちは。名古屋の税理士 米津晋次です。

今回はグリーン車などの料金は必要経費になるかについて説明をします。

中小企業の社長さんの中には、出張で全国を飛び回る機会が多い方もいらっしゃいます。
社長、取締役、部長等の経営管理者は、出張でグリーン車やスーパーシート等を使っている会社が少なくありません。


「出張の際には、通常とは異なる環境での仕事になりますから、肉体的にも精神的にも負担がかかります。せめて移動中の負担を軽減するために、グリーン車など、普通より上のクラスで移動されているのだと思います。

シートがゆったりとしていたり、足元には足置きがあったり、おしぼりをもってきてくれたり・・・


何より、「静か」というところも大きな違いです。

 

社長や役員は会社の経営判断という重要な役割を担っています。そのためその判断ミスが命取りとなりかねません。

そこで、移動時の負担を軽減するためにグリーン車等の利用をするのがという考え方もあると思います。

 

ところで、このグリーン車などの費用は税務上必要経費として認められるのでしょうか?
このような場合、まず“旅費規定があること”が必要経費として認められる重要な条件になります。
具体的には、
・会社に旅費規程があること。
・グリーン車などの利用が、その規程に基づいていること。
・旅費規程自体が、その利用を「職務に必要と認められる範囲」で定められていること。

これらの要件を満たしていれば、経費として認められるでしょう。

 

一般的には、社長や取締役など重要ポジションの人はグリーン車、その他の社員は指定席というように、その人の会社におけるポジションによって、利用できるかどうかを旅費規程で定めているところが多いようです。
産労総合研究所による「2013年度 国内・海外出張旅費調査」において、経費節減の目安とも言える国内出張時の新幹線グリーン車の利用許可状況については、「何らかの形で利用を認めている」(「認める」+「条件付きで認める」)割合は、役員(平取締役)で54.5%、部長クラスで26.0%、課長クラスで19.0%となっています。(調査対象は同社会員企業および上場企業約3,000社で、調査期間は2013年7月、169社からの回答によるもの)

 

では、「旅費規程がない会社では、経費として認められないのか?」という疑問が生まれます。

この場合、それが「職務に必要と認められる範囲」での利用であれば、必ずしも「旅費規程がないからダメ」とはなりません。

しかし、旅費規程を定めておけば税務署ともめる可能性は少なくなりますから、
旅費規定を定めることをおすすめします。

 
旅費規定があっても、幹部以外の社員が出張でグリーン車等を利用した場合には、課税されるケースがあります。

この場合、通常の出張の限度を超える額が給与所得として課税されます。

 

なお、通勤にグリーン車を利用した場合も出張時と同様に給与所得として課税されます。

通勤手当には非課税規定もあるのですが、その条件は、「最も経済的、かつ、合理的と認められる通常の通勤の経路および方法」によるものとなっています。

グリーン車などの利用はこの規定には該当しないため差額について課税されるわけです。
会社側としては、旅費の取扱であろうと、給与の取扱であろうと必要経費には変わりはありません。
消費税についても給与課税されるグリーン料金があったとしても、あくまでも「実費弁済」で消費税が含まれる経費を会社が支払ったこととして取り扱うため、他の通勤手当と同様、課税仕入れとして取り扱うこととされていますので、差がありません。

利用した者個人に所得税・住民税の負担がくるかこないかの違いということになります。
個人事業主の場合ですが、業務のために利用したという前提のものであれば、全額必要経費として認められるでしょう。

ちなみに、私は独立開業後新幹線でグリーン車に乗ったことが数回あります。

ですが、いずれもグリーン車料金を払って乗車したものではありません。

JR東海のエクスプレス予約で新幹線を予約して乗車するとポイントがたまり、そのポイントを使ってグリーン車を普通車の値段で利用したものです。
貧乏性がなかなかとれないようです。(汗)
**参考**

(非課税とされる旅費の範囲)

所得税法基本通達9-3

法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、
同号に規定する旅行をした者に対して使用者等から
その旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に
充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、
目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、
旅行者の職務内容及び地位等からみて、
その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると
認められる範囲内の金品をいうのであるが、
当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、
次に掲げる事項を勘案するものとする。
(平23課個2-33、課法9-9、課審4-46改正)

(1) その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び
使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている
基準によって計算されたものであるかどうか。

(2) その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、
同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に
照らして相当と認められるものであるかどうか。