ふるさと納税返礼品も申告必要?(課税される?)

2018年03月13日

こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

平成30年分の所得税確定申告の提出期限まであと2日となりました。

私の税理士事務所では、追い込みをしています。

さて、返礼品が人気のふるさと納税も、やっている方がかなり多くなりました。

そのふるさと納税返礼品ですが、課税対象になるって知っていましたか?

この所得税確定申告で申告が必要となる人もあります。

ふるさと納税返礼品の税金について説明しましょう。



●ふるさと納税返礼品も課税対象

国税庁は、質疑事例で、ふるさと納税の返礼品の課税関係について次のように記載しています。

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ふるさと寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法第9条に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので(地方自治法第2条第1項)、法人からの贈与により取得するものと考えられます。
したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します(所得税法第34条、所得税基本通達34-1(5))

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引用:国税庁

このように、ふるさと納税返礼品は、一時所得として課税されるのです。

ただ、あまり心配しすぎないでください。

「一時所得」となっているところがポイントです。




●一時所得の金額計算

一時所得の金額は、次のように計算します。

・一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)

最後の特別控除額最高50万円がいわば非課税枠です。非課税枠が50万円ありますので、多くの人は、結果的にふるさと納税返礼品に税金がかかることはありません。

たとえば、ふるさと納税返礼品を金額換算して年間10万円だった場合の一時所得の金額は、
(ほかに一時所得に該当するものがない場合)

・総収入金額10万円−必要経費0円−特別控除10万円=0円

となります。

したがって、ふるさと納税返礼品に所得税・住民税はかかりません。




●ふるさと納税返礼品を含めて50万円を超えると税金が発生する

逆にいえば、一時所得の収入金額が50万円を超えると課税される可能性がでてきます。

また、ふるさと納税の返礼品が50万円以下でも、ほかに一時所得に該当するものがあれば、やはり追加納税が発生します。

では、一時所得に該当するものには、どのようなものがあるのでしょうか。




●一時所得になるものの例

ふるさと納税返礼品以外に一時所得に該当する例をあげてみましょう。

・生命保険の満期保険金や解約一時金
かけていた生命保険が満期を迎え、満期返戻金を受けとった場合や、返戻金のある生命保険契約を途中で解約したことに伴い解約返戻金を受け取った場合は、一時所得に該当します。

・懸賞や福引きなどの賞品・賞金
懸賞や福引でもらった賞金・賞品や、テレビのクイズ番組で獲得した賞金や賞品は、一時所得に該当します。
ただ、日本国内で発行された宝くじの当選金は、例外的に非課税扱いになっています。

・競馬や競輪などの払戻金
 これは裁判で争われた記憶が新しいですね。
最高裁判所は、「外れ馬券の購入費も必要経費と認めるべきだ」という判断を示しましたが、それは、網羅的に多数回馬券を購入する行為は競馬を娯楽として楽しむものとはいえず、もはや経済活動に当たるとして「雑所得」に分類すべきだと判断した結果であって、特殊な事例です。普通の方の競馬の払戻金は一時所得に該当します。




●多額のふるさと納税返礼品を受け取った人に税務署が課税するかも?

ふるさと納税は、原則的に所得税の確定申告で寄付金控除を受けます。

ふるさと納税先から届いた寄付金受領書を申告書と一緒に提出するか、電子申告で提出を省略しても、どこへいくら寄付をしたのかの明細を提出します。

したがって、税務署側は、その人がふるさと納税をどのくらい行ったのかを簡単に知ることができます。

ということは、返礼品で課税すべき人もおおよそ抽出できることになります。

ところで、総務省は、2017年4月1日付けでふるさと納税返戻品について、自治体間の競争が過熱し続けると返礼品の調達コストが高くなり、寄付を地域活性化という本来に目的に充てられらいこともあるとして、ふるさと納税返礼品は寄付額の3割以下に抑えるよう通知を出しました。

5月24日付でも全国約100の自治体に返礼品の見直しを再通知しました。

これにより、返礼率30%という目安ができたことになりますので、50万円÷30%=167万円超のふるさと納税をしている人には、一時所得を申告するように指摘してくる可能性があります。




●多額のふるさと納税をした人は、一時所得の申告をおすすめ

税務署から一時所得の申告をしなさいと言われるのはいやですよね。

今回の確定申告で、私の事務所で多額のふるさと納税をした方が2人みえましたので、そこで、私の税理士事務所では、高額ふるさと納税をした人に対して、一時所得の申告をするようにおすすめしました。




●返礼品をいくらで評価するのかが問題

ただ、ふるさと納税返礼品はお金ではないので、評価をする必要があります。でも、いくらで評価すべきかがわかりません。絶対的な正解がありませんね。

納税者側も困りますが、税務署側もいきなりいくら追加で税金を払えとは言えず困るのです。

私の税理士事務所の2人のお客様は、結局次の方法で一時所得の金額の算出をしてもらいました。

おひとりは、返礼品の種類ごとにいくつかインターネットで価格を調べ、平均返礼率を算出し、寄付金額×平均返礼率を一時所得の収入金額とされました。

もうおひとりは、全返礼品がいくらで販売されているかインターネットでひとつずつ調べて合計額を算出されました。



●一時所得の申告をすることが重要

ふるさと納税返礼品の評価額合計を算出して、一時所得の非課税枠の50万円に満たなければ、追加納税は発生しません。一時所得の申告をしてもしなくても税額は変わりません。

税額が変わらないから一時所得の申告は省略しようと思いますが、あえて一時所得の申告をすることが大切です。

ふるさと納税返礼品の一時所得の申告をしていますよ、という意思を税務署に伝えるのです。

ふるさと納税返礼品の評価が困難なのですから、よっぽど返礼率が低くない限りは、税務署側もスルーすることでしょう。

納税者が申告してきた内容をひっくり返すには、税務署側はそれを立証する必要があり、それが困難だからです。




●すでに申告してしまった場合は?

多額のふるさと納税をした人で、すでに所得税確定申告書を税務署に提出してしまった人はどうすればいいのでしょうか。

まず、昨年分の所得税確定申告の申告期限である3月15日が経過していないのであれば、もう一度申告書を提出してください。訂正申告と言ったりします。後から提出した申告書が有効になります。




●訂正申告のしかた

所得税確定申告の期限内に行う訂正申告は、確定申告の期限内に修正を行う場合をいいます。

税務署では、同一の納税者から提出期限内に確定申告書の提出が2回以上あった場合には、最後に提出されたものが有効にするように扱っています。

つまり、訂正申告の手続きといっても確定申告と特に変わった部分はなく、様式も同一のものに修正したものを提出すれば良いのです。

控除証明書や医療費の領収書などの添付書類がすでに行った申告で提出済みになっていますので、税務署の受付印のある申告書の控えをコピーして添付しましょう。

また、確定申告書タイトルの余白に、赤字で「訂正申告」と明記しておくとわかりやすいです。




●修正申告の方法

(1)確定申告の修正が提出期限を過ぎてしまった場合で、かつ、(2)所得税を少なく申告していた場合や所得税の還付を多く申告していた場合、は「修正申告」の手続きをします。

<自主的に修正申告をしたとき>

税務署からの指摘されるのではなく、自ら修正申告をした場合には、過少申告加算税がつくことなく、延滞税が課されるだけで済みます。

<税務署の調査を受けた後の修正申告>

税務調査などで税務署から指摘を受け、修正申告をした場合には、不足税額のほかに原則としてその税額の10%の過少申告加算税が課されます。

また、利息という意味で延滞税も納付しなければなりません。

※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。
その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。
ご了承ください。(税理士 米津晋次)

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