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コインチェックからの補償金の税務上の扱いが明らかに

2018年04月20日
こんにちは、名古屋市の税理士 米津晋次です。

今回は、まだ記憶に新しい「コインチェック事件」についての話題です。

【コインチェック事件】



580億円の仮想通貨「NEM」が不正流出


「コインチェック事件」とは、2018年1月に仮想通貨取引所のコインチェックから、580億円分もの仮想通貨「NEM」が不正流出した事件です。



コインチェックは被害者に対し総額約466円を返金


事件を起こしたコインチェックは、2018年1月28日に、不正流出により損失が受けた利用者約26万人に対し、日本円で総額約466億円返金をすることを発表しました。
補償額の算出方法については、コインチェックにおけるNEMの売買停止時からの加重平均の価格で算出したものだということです。
そして3月には実際に被害者に対し、コインチェックより返金がされたようです。

【返金を受けた補償金の税務上の扱い】


気になる補償金の税務上の扱い。非課税?課税?


気になるのは、その返金を受けた補償金(日本円)の税務上の扱いですね。
補償金は実質損害賠償金なので非課税では、という人もいれば、雑所得として全額課税対象となる、という人もいました。

国税庁が補償金の税務上の扱いを公表


国税庁は、2018年4月1日に、ホームページのタックスアンサーのページで、仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合の税務上の扱いを公表しました。

雑所得として課税の対象になる、ということです。



No.1525 仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合


 仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することができなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。
 この補償金の額は、預けていた仮想通貨の保有数量に対して、返還できなくなった時点での価額等を基に算出した1単位当たりの仮想通貨の価額を乗じた金額となっています。
 この補償金は、損害賠償金として非課税所得に該当しますか。


 一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています。
 ご質問の課税関係については、顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘案して判断することになりますが、一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます。
 したがって、ご質問の補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります。
 なお、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じることになりますので、その場合には、その損失を他の雑所得の金額と通算することができます。
(国税庁ホームページ「タックスアンサー」より)




【流出による損失との通算できる】



国税庁公表の最後にあるように、補償金が雑所得として課税される一方で、不正流出による損失がありますので、実際には補償額に所得税等が発生するのではなく、雑所得の損失が返金された補償金分少なくなるということになります。

たとえば、不正流出の被害額が100万円で、補償金として80万円の返金を受けた場合には、雑所得の計算上、差引き20万円の損失ということになります。

この損失は、雑所得内であれば、ほかの取引によるものとの通算も可能です。

先の事例で、ほかに雑所得が30万円あれば、それと20万円との損失が相殺でき、雑所得として課税対象になるのは、10万円ということになります。






※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。
その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。
ご了承ください。(税理士 米津晋次)

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